以前の記事
コンサート情報&リンク
お気に入りブログ
カテゴリ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
演奏家は演奏会に向けて、 数限りない楽曲の中から演奏曲を選べます。 でも私のような立場の作曲家は一生のうちで自信を持って 世の中に提供できる曲はきっと数曲でしょう。 作曲にはいろんな形態がありますが、 自分のしている事は 1音1音演奏に必要な音は漏らさず楽譜に記譜し、 詳細漏らさず描かれた音楽計画書(と私は呼んでいる) …いわゆる緻密な楽譜を作るやり方です。 一般に考えているような 作詞作曲をメロディーライン中心に 感性の向くままにやることとは程遠く(勿論これも素晴らしいことです) 5分〜7分の室内楽は少なくとも100時間はかかります。 大編成になればなる程 数秒の時間経過を描くのも大変で、 オーケストラ、吹奏楽等に至っては 1小節30段以上… 気の遠くなる作業です。 現実作曲では家族は養えないので 普通に(普通以上に)仕事をし、 その合間の作曲作業は ステージ上の華やかな舞台挨拶とは真逆で 毎日が受験地獄並に 寝る暇惜しんで机に向かいます。 寿命を縮めるか否か 家族との貴重な時間を犠牲にするか否か …以前葛藤がありましたが、 今は迷いがありません。 そんな過程で作り出した曲なのに 自作としての権利を主張出来ない…等の 悲しい状況が時々発生します。 何度も書きますが、 世の中に楽曲は限りなくありますが、 私が生涯発表する曲は 膨大な時間をかけて ほんの少しです。 「自分の所有するものとして扱う権利」 だけは損ないたくありません。 そして それを守る為にはある決断をするしかないと 権利を委託するしかないのでは… と考えています。
by compose_abe
| 2010-05-27 00:55
| 音楽雑談
|
ファン申請 |
||